【小説】地域中核病院の内科当直の1日とは

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こんばんは、今回は地方地域中核病院の休日当直の1日(フィクション)を紹介したいと思う。

小説として読んで貰いたい。

8:00 起床
朝はぎりぎりまで寝ていたいので、朝ごはんは食べない派である。

8:30 病院到着

休日は自分の科の患者さんは全て回診し、処方や指示の修正を必要に応じて行う。

9:00 当直開始

9:00

前の日の当直医から前日入院の患者さんや、救急外来で診療中の患者さんのの申し送りを受ける。

ここは地方中核病院、救急要請はひっきりなしに舞い込んでくる。

なぜならこの病院が全ての救急車を断らないためだ。

突然、PHSに救急隊からの搬送要請が舞い込む(もちろん断ることはできない)
『はい』と力なく答えるだけである。

患者情報は全てフィクションです
90歳女性、独居で身寄りなし2週間ほど前から食事が取れなくなってきた。

心配した近所の人が毎日見に来ていた。今日は返答もないため中を訪れてみると、居間に横たわり、呼吸が苦しいと訴えてうずくまっている。慌てた近所の人が救急要請を行った。

接触時vital sign:意識は朦朧、体温38.2度,脈拍120/分,血圧123/89mmHg,呼吸回数 24回/分,SpO2 88%(室内気)→O2 カヌラ3L/分でSpO2 96%

救急車が救急外来に到着した。すぐに新型コロナウイルスの抗原検査、PCR検査が行われる。呼吸が促迫しており、呼吸音も湿性ラ音を聴取する。どうやら肺炎が疑わしい

ここ最近は、かかりつけの病院への通院も行っておらず、当院は初診である。

胸部X線を撮影すると右下肺野に浸潤影(白くなっている)が見つかった。胸部CTでは両側下葉背側に浸潤影を確認できた。誤嚥性肺炎と診断する。

酸素投与が必要で入院が必要だが、ひっきりなしに救急車が到着する当院はすでに満床、近隣の病院に転院をお願いすることにした。

C病院『いつもお世話になっております。病棟に空きがあるのでこちらへいらっしゃってください』

転院の搬送先が決定した。

そのまま、ひっきりなしに救急車は5台がやってくる。

ようやく一息ついたのは夜の20時だった。

遅めの昼食兼夕食を病院内のコンビニエンスストアでさっさと食らう。サラダとカップラーメン。サラダで食物繊維をとったからカップラーメンを食べていいだろう。

21:00

病棟から血液培養(体にバイキンがいないか、通常の採血の3倍は手間がかかる)を取ってくれと頼まれる。清潔が大事である。

21:34

今度は、輸血投与の際の立ち会い。今日は赤血球輸血4単位(2パック)投与するため2時間後にももう一度立ち会って欲しいと。

23:45

2回目の輸血立ち合い。

23:56

前日の当直医から状態が不安定な患者様がいると引き継がれたのだが、徐々に脈が遅くなり、心停止された。死亡確認を行う。出棺(お見送り)は2時間後の予定。

隙間時間にシャワーを浴びる、シャワー中はPHSの音がなっている幻覚に襲われ何度かシャワーを止め確認するがcallなし。すぐに髪を乾かし、しばしの仮眠をとることとする。

2:00

葬儀屋が到着し師長、病棟看護師とともにお見送り

4:00

近隣の病院から、飲酒後に吐血した55歳男性の緊急内視鏡(胃カメラ)目的の転院要請。
5:20 消化器内科オンコール(その日の緊急胃カメラ当番の先生)を呼び出し緊急内視鏡へ
お酒の飲み過ぎによる吐血・マロリーワイス症候群と診断(お酒の飲み過ぎには注意である)

5:45

就寝

8:30

起床、自分の担当患者を回診する。

9:00

ようやく当直終了だ。

当直とは

上記は完全に創作であるが、実際の当直もこのような感じである。

内科医は若手の頃は月に3-8回程度(病院の人員にもよるが)このような夜の当直を行なっている。もちろん次の日に早く帰れることはない。

上記の日当直が日曜日であれば月曜日はそのまま勤務開始である。

医師の労働環境改善が叫ばれて長いが、実態はあまり変わっていないことも多い。

fin.

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