【新・内科専門医とは】専門医制度や取得条件を解説

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こんにちは

今回は2016年卒業以降の内科医師が直面する新・内科専門医制度について解説したいと思います。

主に、今後内科を志望する医学生、研修医のみなさん向けの内容です。

新・内科専門医とは?

2016年卒業以降の医師で内科を専攻する医師はまずJ-OSLERに登録し、症例を集め、記載し、その症例の中から病歴要約をすることが必須となりました。(2016年卒が内科専攻医になる2018年から運用開始)

J-OSLERってなに?

J-OSLERとは

J-OSLER(Online system for Standardized Log of Evaluation and Registration of specialty training System)

内科専門研修の標準化を図るため、オンラインで研修実績の登録と評価ができるシステムです。

J-OSLER公式サイトから引用

これだけでは、いまいち内容とが分からないですね。

これまでは
循環器内科など内科に進む場合は内科認定医(内科専修1年以上で取得可)を取得してからそれぞれの学会が認定する専門医試験を受けることができました。

例:医師4年目(認定内科医)→医師8年目(循環器内科専門医)

認定内科医は紙ベースの病歴要約提出、認定医試験でpassが可能
内科として1年以上研修していれば取得できる症例数であるため比較的取得は容易だったのです。

しかし、2018年度内科専攻医から上記の認定内科医制度を廃止し、内科を志願する後期研修医(医師3年目-5年目)は上記J-OSLERに登録し、Web上で経験した症例を記載、指導医に承認してもらう形式となりました。

これを突破すると、晴れて内科専門医試験を受験することができます。

苦難の道のり

実はこのJ-OSLERがかなり難関で2016年卒業の内科専攻医は、当初ほとんど詳細を知らされないまま後期研修することを強いられたのです。

当初、何を行えば内科専門医の要件がJ-OSLE開始時に明確に告知されていませんでした。

内科系学会に年2回以上参加することなど大まかな基準はありましたが、細かい要件は記載は徐々に周知されました。

Webシステムも開始したばかりで内科指導医がシステムの使い方を知らず、専攻医が指導医にシステムログインの仕方や症例の登録方法を教えなければいけないこともありました。

症例登録

J-OSLEでは、経験した個々の症例をWeb上に記載・登録、その後指導医が承認していきます。

症例は3年間で160症例以上で、個々の症例に対して

①現病歴・治療の経過(症例の概要)500字以内

②症例を経験しての自己省察 300字以内

上記をそれぞれ字数制限以内で記載(記載途中に60分以上中断すると勝手にログアウトしてしまうため、それまで記載していた文章は全てクリアされるため注意しましょう

記載したら登録して全症例を担当指導医に承認してもらう必要があります。

優しい指導医で、全て承認してくれる指導医と、一つ一つ細かく修正(revise)を求める指導医に当たるかはです。

指導医の厳しさで、今後の難易度がかなり左右されます。

160例のうち半分の80例は研修医症例が使用可能となっています。

病歴要約

症例登録が指導医に承認されたものから病歴要約を作成します。
2階建て方式で、初めから病歴要約を作ることはできません。(研修医症例は14例まで記載可)

これまでの内科認定医は紙ベースであったので、先輩方からは病院のサマリーを少し書き加えるだけであったなど武勇伝が聞かれましたが、インターネットベースではそれも困難です。

1症例の病歴要約を作成するのには数時間-数日かかるため、日常業務に加えて要約を作成するのはかなりの負担となります。

病歴要約の書き方は内科学会が手引きを公開しているので参照してみてください。

病歴要約 作成と評価の手引き 内科学会サイトより

病歴要約は担当指導医の評価が終了(個別評価)したあと、プログラム責任者の評価(1次評価)→外部評価者の評価(2次評価

と3段階の評価がなされます。毎度修正(Revision)を要求されることもあり、非常に手間です。

最も難関であるのは外部評価者の評価で、29症例の全体評価となりますが、要差し替え(Reject)をされるとその病歴要約は29症例に含めることができなくなります

そのため別の病歴要約を29症例に含めるために、症例登録→プログラム内の指導医へ承認してもらう→病歴要約作成→プログラム内の指導医からの承認を経て、再度外部評価者に評価申請をしなくてはなりません。

29症例の病歴要約は1人の外部評価者によって評価されるため、ここでも外部評価者による評価のばらつきが起こります。

全くRevision(要修正),Reject(要差し替え)をされない専攻医(専攻医の要約が優秀なパターンと外部評価者の評価が甘いパターン)もいれば、いくつも病歴要約をRejectされる専攻医もでてきます。

ちなみに私はRevison(要修正)3例、Reject(要差し替え)1例で返却され、修正と別の病歴に差し替えを行なった後は無事全て承認されました。

その他、修了要件

①内科学会所定の学会での発表2回(抄録やプログラムは必ず保管しておくようにしてください

②JMECC講習受講(内科救急)

③医療倫理・医療安全・感染制御の講習会の受講(任意の組み合わせで年間2回以上受講→これは3年間で6回でも可能です)受講レジュメは必ず保管しておくこと!!

以上でJ-OSLERで規定された修了要件は満たされます。

いよいよ出願、試験へ

J-OSLERを修了すると、内科専門医試験への出願を行います。

出願費用は3万円とかなりの高額ですね。落ちないように対策は必ず行うべきです。

内科学会の年会費を払っていないと出願できないためかならず年会費は払いましょう。

2021年は4月15日が出願締め切りでした、周りの専攻医でも出願忘れをちらほら見かけました。
みんなJ-OSLERが終了して気が抜けていたようです。

出願まで気は抜けません!!

2021年度は7月4日の日曜日に第1回内科専門医試験がパシフィコ横浜で開催されます

試験は無事開催されるのでしょうか、オリンピック期間と近いため楽観していますが、オリンピックが中止になれば専門医試験は延期・中止になるかもしれません。

長々と書いてきましたが、これから内科専門医を受ける専攻医のみなさん、質問や記事にして欲しいテーマがあればコメントなどお待ちしています。

ではまた次の記事で!

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