労働衛生コンサルタント試験(保健衛生区分) 受験ガイド
年1回、10月の筆記試験と翌年1月の口述試験で行われる国家試験です。医師は受験科目が法令だけになる一方、その1科目で合否が決まります。2026年度(第54回)の日程、科目と免除、合格率、本の使い分けをまとめました。
試験の概要
| 実施団体 | 公益財団法人 安全衛生技術試験協会(厚生労働大臣指定試験機関) |
|---|---|
| 試験の区分 | 保健衛生と労働衛生工学の2区分。医師、歯科医師、保健師、薬剤師などは保健衛生区分で受験する |
| 受験資格 | 医師、歯科医師は免許があれば実務経験なしで受験できる。そのほか学歴と労働衛生の実務経験年数の組み合わせで定められている(例: 大学の理科系統を卒業して5年以上) |
| 試験の構成 | 筆記試験(10月)に合格した人が口述試験(翌年1月)に進む。口述試験に合格すると厚生労働省への登録を経て労働衛生コンサルタントを名乗れる |
| 試験手数料 | 24,700円(非課税。令和5年6月1日現在) |
| 合格基準 | 筆記試験は総点数のおおむね6割が目安とされている。口述試験の採点基準は公表されていない |
2026年度(第54回)の日程
| 区分 | 日程 |
|---|---|
| 筆記試験 受付期間 | 2026年7月1日(水)から7月31日(金)。原則オンライン申請 |
| 筆記試験 試験日 | 2026年10月21日(水) 10時から16時30分(労働安全コンサルタントは前日の10月20日) |
| 筆記試験 試験地 | 北海道、宮城、千葉、東京、愛知、大阪、広島、福岡の8か所 |
| 筆記試験 結果発表 | 2026年12月上旬 |
| 口述試験 受付期間 | 筆記試験全部免除者のみ 2026年11月1日(日)から11月15日(日)。筆記試験合格者は別途案内される |
| 口述試験 試験日 | 大阪: 2027年1月13日(水)から14日(木)、東京: 2027年1月26日(火)から29日(金)のうち指定された日時 |
| 口述試験 試験地 | 大阪(エル・おおさか)、東京(新宿NSビル) |
| 口述試験 結果発表 | 2027年2月下旬 |
申請は原則としてオンラインで、受付期間中だけ申請システムにアクセスできます。受付期間が1か月しかなく、医師免許証の写しなど添付書類の準備に時間がかかるので、6月のうちに書類をそろえておくと安心です。
筆記試験の科目と時間
| 科目 | 形式 | 時間 |
|---|---|---|
| 労働衛生一般 | 五肢択一 30問 | 10時00分から12時00分(2時間) |
| 労働衛生関係法令 | 五肢択一 15問 | 13時00分から14時00分(1時間) |
| 健康管理(保健衛生区分の専門科目) | 記述式 2問 | 14時30分から16時30分(2時間) |
五肢択一といっても、5つの記述それぞれの正誤を判定して条件に合う1つを選ぶ形式なので、実質は○×の判断を5回行う試験です。法令は1時間15問で、科目の中では最も時間に余裕がありますが、条文の細かい数値(人数、期間、濃度)を正確に覚えていないと判断できない問題が並びます。
科目免除: 医師が受けるのは法令だけ
保有資格によって科目免除があります。医師と歯科医師は、申請により労働衛生一般と健康管理が免除され、受験するのは労働衛生関係法令の1科目だけになります。さらに、日本医師会の産業医学講習会または産業医科大学の産業医学基本講座を修了していれば筆記試験が全科目免除になり、口述試験から受けられます。認定産業医の基礎研修会や認定証は、この免除の対象ではありません。
受験科目が1つしかないということは、その1科目で6割を取れなければそのまま不合格ということでもあります。法令の出来がそのまま合否になる、というのが医師の受験の実情です。
口述試験
口述試験は1人15分から20分程度の面接で、試験官から25問から30問ほどの質問を受けます。労働衛生の3管理(作業環境管理、作業管理、健康管理)を軸に、法令の根拠、事業場での実務、最近の法改正への対応を自分の言葉で説明することが求められます。筆記試験を免除された医師も、この口述試験は受けなければなりません。
合格率(2025年度、第53回)
| 区分 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 筆記試験 | 943人 | 229人 | 24.3% |
| 口述試験 | 628人(うち筆記試験全部免除者 408人) | 284人 | 45.2% |
| 最終合格率 | 21.0% |
最終合格率は、口述試験合格者数を、筆記試験受験者数と筆記試験全部免除で口述試験を受けた人数の合計で割ったものです(試験協会の定義)。口述試験の受験者の3分の2が筆記試験免除者で、その半数以上が口述試験で不合格になっている点は、筆記免除の医師にとって見過ごせない数字です。
出題の前提となる法令
試験の解答は、当該年度の4月1日現在で施行されている法令等が前提です。2026年度試験なら2026年(令和8年)4月1日です。化学物質の自律的管理(2023年4月と2024年4月の二段階施行)、2025年6月の熱中症対策の義務化、2025年5月公布の改正安衛法の段階的な施行など、近年は大きな改正が続けて反映されています。改正の中身は口述試験でも「最近の法改正で知っているものは」という形で問われます。
学習の進め方と本の使い分け
医師の受験者を想定した標準的な進め方です。期間は3か月から6か月を見ています。
| 段階 | やること | 使う本 |
|---|---|---|
| 1. 全体像をつかむ | 法令の体系(安衛法、安衛則、特別規則)と、頻出の数値を一通り読む | 労働衛生関係法令 テキスト |
| 2. 問題で定着させる | ○×で条文の正誤判断を繰り返す。間違えた条文はテキストに戻る | 法令○×一問一答 |
| 3. 論点を絞る | 出題頻度の高い論点を優先して固める | 労働衛生関係法令 最重要論点50 |
| 4. 本番形式で確認 | 時間を計って解き、6割の壁を越えられるかを確かめる | 労働衛生関係法令 直前予想模試3回分 |
| 5. 口述に備える | 筆記合格後(または筆記免除者は申請後)に、3管理の枠組みで答える練習と法改正の整理 | 口述試験 テキスト、完全対策問答集、法改正と時事論点、直前チェック集 |
| 6. 直前期 | 数値と要点を一気に見直す | 要点暗記 総仕上げ |
労働衛生一般を受験する人(薬剤師、保健師、看護師など)は、段階1から4を労働衛生一般の各本(テキスト、○×一問一答、最重要論点60、直前予想模試)でも行ってください。
公式サイト(一次資料)
このページの日程、手数料、合格率などの数値は、上の公式サイトの記載を 2026.11.05 に確認したものです。年度ごとに変わるので、出願の前に必ず原典で確認してください。誤りに気づかれた方はお問い合わせからお知らせください。












